009:かみなり
「・・・・兄さんなんて嫌いだわ。」

吐き捨てるように言い放ち、譲は目を逸らす。
こんな時、兄である自分はどんな言葉を掛けてやれば良いのだろうか。
何をしてやればいいかだなんて、誰が教えてくれるというのか。

青白く痩せた、幼い横顔。
伸びきった指先と、気怠そうな顔付き。
僅かに開かれた唇は、音が鳴りそうな程、小刻みに震えている。

足に力を込め近づこうとすると、譲の負の感情からなる、磁場のようなモノに気圧される。
必死に抵抗しようとするも、じりじりと後退せざるを得ない。

苦し紛れに窓の外を見る。
屋根を叩く雨音、暗い夜空。

唸る、雷鳴。轟く、閃光。

009:かみなり:鳥籠
わー、なんでユズル怒ってるんだろー(笑
ユズルが怒ると兄はあたふたすると思います。シスコ・・・・げふ。

かみなり。雷じゃなくて神鳴りでも良かったかなぁと思います。今更ですがね。
神鳴り、は雷の原義だったかなぁ、確か。

04.04.12