012:ガードレール
ガードレールの外側、車道との間の段差に足を乗せ、覚束無く歩く。
右へ左へ、重心を移動させながら上手くバランスを取る。
「ユタ、危ないから。いい加減歩道に戻ったら?」
高瀬が、小さく呟く。
沈黙数分。
知らぬ存ぜぬと、左から右へと聞き流す。
途端、グラリと身体が車道に傾ぎ、其方へと落下する。
訂正。
落下しそうになりながら、危うく免れた。
「アブね。だから云ったろ?」
「あへへ、ゴメ。」
歩道から高瀬の腕に、腰元を抱きかかえられる形でしばらく停止。
人間ってなかなか死なないモノデスネ。
「ほら、こっち来いって。」
「えー、やだ。」
「・・・なんでだよ・・・。」
たとえるなら願掛け。無事に辿り着けたら、願い事を叶える勇気がもらえる気がして。
「内緒デース。」
ニコリと微笑んでから、浮かんだ馬鹿らしい考えを打ち消した。
高瀬はしばらく逡巡すると、右手をそっと差し出し、目の前に突きつける。
「じゃ、手、貸してやるよ。今度落ちたときも、必ず助けてやれるなんて限らないことだけは確かだから。」
「わ、珍し!高瀬がそんなこと云うなんて明日槍降るかもよッ!?」
「・・・そゆこという人間は車道に落ちてしまえ。」
「や、ゴメ、冗談です・・・・。有りがたく繋がせて頂きます。」
二人で歩く車道すれすれの歩道は、狭いような広いような、そんな風に感じた。
012:ガードレール:ドルチェ。
たかせゆたかです。世に出てから早2年、ようやくそれらしい感じに・・・・?
√、はなんか違いますものね。あれはなんつーか、普通に仲の良い友達だー。
あさゆたは割とすんなりいくんだけど、どうもこの二人は・・・・絡ませづらい。
逆に高瀬と浅日は凄く書きよいんですがね。そこ、CPじゃない・・・・。
由高さんの考えてるコトが一番よくわかりません。
難しい子だと思うなー。
04.07.21