Mute present.
多分本人も知らないだろう、ユタの癖を知っている。
欲しいものがある時、黙ってソレを一瞬見つめる。
ほんの一瞬だけ。時間にすれば、瞬きをする程の速さの。
よく見ていなければ、他人ならば、まず気づかない。
だからユタは、俺に気づかれて無いと思ってる。
だけど俺は、気づいてる。
何気ない仕草の中の、少しだけの違和感。
声をかければ、何事も無かったかのように素っ気なく応対する。
沈黙が横たわる。
黙ってユタが目を向けた商品を掴み取り、レジへと持ってゆく。
ユタが慌てる。俺はゆっくりと笑う。
欲しかったんだろ?甘く囁く。
目を見開いて驚き、耳まで真っ赤に染めて動転する。
聞き取りづらい大きさの音量で、微かにありがとうと呟く。
店員が丁寧に包装し始めるのを横目にしながら、ユタの方に向き直る。
意地悪く、聞こえなかったんだけど、と囁く。
ユタはますます赤くなり、意地悪!と憎々しげに毒づく。
おお、これ以上いじるとヤバイ。
タイミング良く店員の作業が終わる。
商品を受け取ると、ユタはまだ赤みの残る顔で嬉しそうに笑う。
恥ずかしいのか、俺の服の袖を引きながら、早足で店から遠ざかる。
店員の、次回の来店を乞う決まり文句が空しく空回る。
振り返り、大音量で俺にお礼を言った後、小首を傾げて問う。
どうして俺がコレを欲しがってるって判ったの?
ユタ、俺がどんだけオマエのこと見てるか、ホントに判ってる?
久しぶりですね、ドルチェ本編。いや、これ本編違う・・・・?
紅葉ちゃん宅一周年祝いらしい。コレで祝う気あるのか、私・・・・。いいや、彼女ドルチェ好きだし。
最初はあさゆたのつもりで書いてたんですが、どうも違う気がするので恐らくタカセユタカです。
浅日に駆け引きなんか出来てたまりますかい。
04.09.05